2000-01-01から1年間の記事一覧
あなたがたの(アイデンティティ)ポリティクス 中島裕介(未来) 2022年2月11日、第三歌集あとがき送稿。ウクライナにおける邦人退避勧告 子の残す麦茶に浮いた油膜にもひびが静かに静かにわたる 対豪ドル円安加速。衣類メーカPOLITIXに急いで注文 セール品…
ものごとは心にもとづき、心を主とし、心によってつくり出される。 (中村元訳『ブッダの真理のことば・感興のことば (岩波文庫)、1978) 泣き虫が涙をためて歩き出す必ず光(ルビ:そこ)へ行くからねって我々も囚われているのかもしれずlove someone down…
ヒトは「私の身体」を基盤にしてしか我々の生活する世界を知覚できないし、世界に意味を付与することも、想像することも創造することもできない。これを広義の私性と呼ぶとしよう。これに対して、生活的事実(fact)の断片(fraction)だけで満足(satisfact…
山積みの新聞は雪崩てしまったが目を閉じたまま身体を洗う 党派主義の昆虫たちが叙述性満載のニュースを蔓延させる Sectarian insects are infected with the factionality factoid ふにくりふにくらふにくりフラクタル皮肉はいつも無視されてゆく 受け取り…
私の視力は右0.2、左2.0。 普段は左目ばかりでモノを見ている。 Left Eye(残された目)でだけ見てる朝焼けはトロイの木馬として染みて来る すれ違いざまに呪いをかけられて立喰蕎麦の葱が切れてない ビル群は焼け残されてメリーゴーラウンドの馬の黒き鬣 新…
楕円とは、平面上のある2定点からの距離の和が 一定となるような点の集合から作られる曲線である。 コンビニの本棚の裏にこぼれたる少年マガジンのグラビアは笑む 日に焼けている週刊誌の群れのうち一冊は出エジプト記になれ 本棚の裏の雑誌が歌となるにつれ…
塵埃と約束を振り払いつつ立つanything but waiting 僕の手を「人違いでは」と払う人の視線は螺旋状にこぼれて 散り終えた黒き花弁を踏みしめる僕は、例えば閉めかけの螺子 suica持て自動改札を進むとき触れてはならぬ心のあらめ 乾いてる春をかわして行く君…
一人だけの感覚のためトイレに入る 山茶花の香は暴力的に何かあるたびに千切って拭いてゆくものは涙 契りの果てにトイレットペーパーくらいの気軽さで希望がない 買い置きももちろん幸よりも薄き青のシングルを・・・今日だけはせめて緑のダブル千切られたそ…
やや甘いブラック 暗き自販機のお釣りはすべて十円玉で拾われた言葉のために、重くてもお釣りはすべて十円玉で捨象された車掌から買う乗車券のお釣りはすべて十円玉で反対はしない 花残月だからお釣りはすべて十円玉で
狡兎死して走狗煮らるる心地して おまへはことばが判ると云ふのか白鯨を鰯の網で捕らへよ 初夢に降るテクストの雨 灰皿の灰を思わず飛び散らすほど冷房が効き過ぎた本棚 Black plus white does not equal gray. They have their own territory.無理数の行方…
ただ一つ泡が生まれる 社会に於ける悪意の始動者の為に囁き…詠唱…祈り…念じろ!寺院を灰にする意志よあれ囁き…詠唱…祈り…念じろ!僕はまだ壁の中にいます囁き…詠唱…祈り…念じろ!寺院のためにカントが生きた携帯電話として手に持っていたのは復活のためのカ…
太陽に閉門蟄居を命じては静かに足組む少女は一人他人恋ふる者、他人恋ふる者恋ふる者在り。愚か、より愚かな一人。Dr.ノートンが「ユートピアへのメッセージ」を発見しました。削除しました。奇矯なる棄教者はただ、気胸のように息を切らせて桔梗を 抓まれ…
頼む我が結ぶの神を忍ぶ草落つる思いは八万ならく 暮るるかと見れば明けぬる夏の夜を明かずとや鳴く月と石榴と むらくもに神を見ぬ日の世の中に初々しきはこの恋心 夏夜花見上げれば咲く月の子の川のほとりの踏まるる葉つきの
1.lighting rightly attend 制服は鞄の中に入れてある登校する我が聖別として ascend 教科書に当たる日差しが波を打つ感触をペン先でなぞる extend ペンはただ君を求むる声のごと琥珀の中の虫を連れ出す portend 教室を迷う蛾がもし蝶ならば戯曲はきっと廊下…
児玉清がブルース・リーの真似をして寸剄(ルビ=ワンインチパンチ) カメラマンはのどかな世界地図のアタックチャンスを狙いつつ11番に飛び込んだ赤アタックチャンスに飲み込まれ消えてゆく白、真中に赤フランス縦断10日間の旅のためシャツに広がる赤は滴…
1.うそなきラジオチューニング(ルビ=同調)が合わず一言も語らないラジオノイズが幽か泣いてる今、語る言葉を失った僕を埋めておくれうそなきラジオマヨネーズ容器の口の☆型に流星と同じ願いを託す封を開け窓から投げる「きみに会いたい、きみに会いた(間…
高校2年5月、further along with “you” 隙だらけであった僕にも二人称単数である名前が付いた 大学3年8月、fragile 座礁した船から逃げて君が白いタオルに残す日焼け後の皮膚 大学3回生6月、絢爛なる舞踏 酩酊の男介抱する男の髪間にagathaのピアス赤く在る …
棚引きて群雲を指す羅針盤に綾目を識ればやはか碧ある幾つもの手が添えられて空を向いても僕の手じゃない僕の手じゃない鮮潔な全体性を漸悟して剡渓訪載! 僕の言葉じゃ*1蝋燭で出来た影絵に眼が腫れる程の君はAllegoryAllergie過怠ゆえ神の下腿に親指を硬く…
投げ捨てよ、道化師たちの召還術を、否定形でのみ語られる日を Encroach the encyclopedia of ends to end up endearing her.空っぽの顔に蠍を押し付けて節が刺さった 血も空っぽである In the sign of Zodiac, Scorpio especially scorns scouring. 暖冬の…
1. 据えられて居る内に饐えた物乞いは母に持たれたビオラに凭れ "Bigger is not better." "Begger is not vinegar." "I must buy a viola." Unavoidablely.亡き母の手記読み返し、兄弟が培養された周期を厭う (On her autobiography in her VAIO) My mothers…
圧倒的な負け戦が常に明表でありながらも尚、戦わなければならない同年代の歌人が沢山いる。ここでは特に黒瀬珂瀾氏と謎彦氏を挙げよう。 わがための塔を、天を突く塔を、白き光の降る廃園を/黒瀬珂瀾『黒耀宮』 「あなたこそ地球最後の源氏です」チェーン…
ケインズは死の床にあるヴィトゲンシュタインに言った。> 鄯.世界はことがら(ルビ=Fall)の全体である。The world is everything that is in the case, and that is casus belli itself. (ルビ=送り出した蟲毒は全て返されて均質な無菌室へと逃れる)A fool fo…
「謎彦さんと私」という組み合わせの必然は二つある。一つは昨夏の第1回歌葉新人賞で最終候補に挙げられたこと。もう一つは実験性や引用性を重視していることにある。 実験性に関して言えば自選20首の内の9首目や18首目が顕著だろう。前者は如是我聞という法…
碩嶺のめをといざなひこひの関しふしんに問ふ影に添はばや 雨宿り菖蒲の国の誤りにあやめも知らぬ恋をするかな 運動は今日も全てが既視感に圧縮された。copy&paste! 花火/*に:でも~に@るれども*1 処分予定のホムンクルスが舞い狂うKafkaesque kaleidoscope …
今、嘘を、眩暈を起こす嘘を、泥まみれにされた嘘を、エデンを、ストーカーと忍ぶ恋との関係を騎士道に絡めて問う人がいるただ単にマリオに類似してるから、殺されに行かねばならぬ弟を選ぶ[急募:基礎研究を基礎付けるべきセレンティピティ] この泣き虫がっ!…
一月十三日、歩いて五分ほどの京都国立博物館へ、大レンブラント展を見に行く。ちょうど最終日の、しかも閉館間際だったため、かなり混雑していた。 私はまず、絵が描けない。鉛筆でのデッサンまでは何とか書けるのだが、どうも色が付けられない。 中学生の…
初出:たぶん「京大短歌」(後日確認します)手が耳に届くよに手短な、精液入りの手紙が届く反り返ることが出来ない海路故に、寡婦の項が反り返ってゆくWake up! Wake up! 寡婦は水兵の為に水平に放てmourning shot弔砲が豚のペニスの指し示すオリエンタレ・…
今回の歌は私の歌の中でも分かり難いので、エッセイをその註釈に当てる。 Copy&Pasteとはコンピューターで文章やデータを複製・配置する一連の行為を言う。合金は英訳すればamalgam。回教徒は一部のイスラム教徒を指す。emailは仏語でエナメルを意味する。 …
運動は全てが既視感に圧縮されたcopy&paste!重水で出来たPOPな銃声もコラージュしようcopy&paste!佯狂のカルテが燃えて秒針に波打つ夜をcopy&paste!邪な回教徒だけ真実の口を以て縦にするemailの爪が引き裂き頬赤く染める受話器は喘月の牛雨糸であやとりの塔…
この物語は誰にも秘密。 今から起こることについて、どんな記録も残っちゃいけない。このことについて、誰にも伝えないで欲しい。 自転車で僕は歩道に上がれずに水溜りへと飲み込まれてた A pen perhaps permits periodic pedals to be pedantic. 無臭狂者の…