1999-01-01から1ヶ月間の記事一覧
2023年に短歌研究社主催・第41回現代短歌評論賞を頂戴した拙論「〈前衛〉と実作 ――生成AI時代に、人が短歌をつくること」の本文を公開します。校正原稿を元にしているため、「短歌研究」誌からの反映漏れや、可読性向上のための表記置換・リンク貼り付けなど…
歌人はひとである。基本的人権を保障されたひとである。ひとは社会的な生き物である。ひとは、ほかのひとと交わりあって生きている。社会は変わる。モノと情報の流通によって、社会の変化も急速になっている。――歌人の方々はこれらの簡単な前提をはき違えて…
(ただの回顧・随想なので、文章全体の一貫性は特にありません。)
【2.8万字を1文に要約】細見晴一の「ジェンダーの壁」は、「評論」として不適当。
(2019年12月4日、加藤治郎の一連の問題言動に関する記事に関連し、本稿を公開します。)短歌研究 2019年 04 月号 [雑誌]作者:出版社/メーカー: 短歌研究社発売日: 2019/03/20メディア: 雑誌インターネット上にTwitterというサイトがあるのはもうご存じだろ…
新しいことばって新しい概念や技術、商標名といったものだろう。そして、マスメディアで喧伝される政治や経済の言葉。ウェブ上のジャーゴン。若者言葉やちょっと変わった言い回し。そういうことばを知ると即座に歌に使う衝動に駆られる――けど、踏みとどまる…
「短歌人」2018年4月号斎藤寛氏時評「AIを使って作る短歌」について、内容に問題があると判断しました。 元の時評のサイズで数えて、「7ページ版」と「1ページ分の抄出版」の2バージョンを用意し、いずれかを「短歌人」誌上に掲載していただけないか打診し…
ある文章を書いた勢いで、14年前の精算をしておこうと思う。これまで何度も取り組み、何度も書ききる気を失ったものだ。文章はとても雑になるだろうが、勢いで書ききってみよう。 同人誌「遊子」2004年2月号(11号)に掲載された片上雅仁氏「中島祐介の表現…
落選したので、公開します。(2018年9月20日夕方に公開)※本稿の意義。主な先行研究/評論には(2019年9月12日追記。2019年9月15日さらに追記。) 菱川善夫「同人誌本質論」:結社の本質は同人誌にも含まれる、というもの。水平的な人間関係。 永田和宏「王国…
1.概念メタファーについて (1)メタファーについて 言語学者のロマン・ヤコブソンは『一般言語学』*1 の中で、「ことばが意味を伝達する基本的な形態」として隠喩(メタファー)と換喩(メトニミー)を挙げている。メタファーは二つの事物の類似性に基づ…
1.はじめに 本稿では文学や芸術全般の「作者による作品の制作」と「鑑賞者による作品理解」のモデル化を主に取り扱う。多くの人が「何をいまさら」と思うような、言語学や美学の一論点を概観することになるが、佐々木健一の『作品の哲学』(東京大学出版会、…
初出:「未来」2012年3月号くらい(後日確認します) 0.本稿について 二〇一二年八月の「未来」全国大会で、「二つのゼロ年代」と題したシンポジウムが開催される予定であるが、ここでは一九〇〇年から一九〇九年までの「二十世紀ゼロ年代」と、二〇〇〇年…
http://d.hatena.ne.jp/theart/20000110/1134400084
yukashima.hatenablog.com「謎彦さんと私」という組み合わせの必然は二つある。一つは昨夏の第1回歌葉新人賞で最終候補に挙げられたこと。もう一つは実験性や引用性を重視していることにある。 実験性に関して言えば自選20首の内の9首目や18首目が顕著だろう…
yukashima.hatenablog.com 一月十三日、歩いて五分ほどの京都国立博物館へ、大レンブラント展を見に行く。ちょうど最終日の、しかも閉館間際だったため、かなり混雑していた。 私はまず、絵が描けない。鉛筆でのデッサンまでは何とか書けるのだが、どうも色…
初出:「未来」2008年●月号(後日確認します) 小学生の頃、片思いしていた女の子に言われた「ナカシマくんってさ、心が弱いよね」という、根拠も判断基準も何も無い言葉、その割に苛立たしい言葉が嫌だった。だけれども、今までの私を規定或いは表現してき…
初出:2004年3月に大阪で開催された「『O脚の膝』を語る会」■形式面 ・1ページに1首、多行分かち書き ・句読点(特に句点。句点を打ったポイントへの意味的響き) 胃からりんご。 りんごの形のままでそう。 肩はずれそう この目。とれそう 19 たばこ、ひるね、…
初出:「未来」2006年3月号 0.この問いの前提 「AとB」という形式は、一見異なるものが同一であるとするのか、或いはその逆であるのか、いずれにせよ古くから用いられてきたものである。「言葉と物」「声と現象」「陸と海」「ビートルズとローリングストーンズ…
初出:「京大短歌」9号か10号くらい(後日確認します) 私が黒瀬珂瀾氏に初めて会ったのは2000年6月である。歌人なるものをほとんど見た事さえ無かった当時、短歌に対して、文学に対して真摯な態度を取り続ける同い歳というものは畏敬の対象であった。彼に関…