棚引きて群雲を指す羅針盤に綾目を識ればやはか碧ある
幾つもの手が添えられて空を向いても僕の手じゃない僕の手じゃない
鮮潔な全体性を漸悟して剡渓訪載！ 僕の言葉じゃ*1
蝋燭で出来た影絵に眼が腫れる程の君はAllegoryAllergie
過怠ゆえ神の下腿に親指を硬く這わせる花袋は独り
自らの指をコピーしコピーし鞦韆の鎖を作る少女も独り
空港の宝の地図を飲み干しても何処にも行けない空の身体だ
お年頃の落とし処を知り父は一昨日の乙女を追ふなり 今日も
鍋蓋を掴む父あり 一言も交わさず我は茄子を輪切りす
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呼ばるべき名無く嘶く「It is a limit of the world.」低く呟く
西日に虹が揺らぐ とても乾いた十代だつた
In my thirsty thirteen, I didn’t have a thick-witted thievery.
共犯の想いに凪いだ海水をただ奪われる二十代である
Nevertheless I was exiled from third dimension by the third degree.
混沌こそ美の華と信じる者へ ルビを振れないほどの連祷
Lyrics rely on lilacs. They kindle all of them……...Litany!
最上階の窓を抜け斎場に糸電話よ届け 未だ垂れている
Presto, Prestissimo. Ma dolce...con tutta la forza, Non!
心にも幻にも無い言葉だから君に切られた余情を愛でる
Before the war, during the war, after the war, all of them were in the ward...
*1:剡＝セン 炎にリッシンベン
