昨日午後に短歌研究社の旧Twitterやウェブサイトにおいて、第41回現代短歌評論賞の結果が発表されました。おかげさまで、拙稿「〈前衛〉と実作 ――生成AI時代に、人が短歌をつくること」が受賞することとなりました。
第41回「現代短歌評論賞」は中島裕介さんに決定いたしました。
— 「短歌研究」9月号、8月21日発売。 (@tankakenkyu) 2023年8月23日
受賞作「〈前衛〉と実作 ―― 生成AI時代に、人が短歌をつくること」
選考委員は、三枝昻之、今井恵子、谷岡亜紀、寺井龍哉の各氏。詳細は「短歌研究」10月号誌上に発表致します。
中島裕介さん、おめでとうございます🎉
17歳で短歌をはじめて28年、ようやく公式戦で1勝目を挙げられた心地です。昨晩のツイート
x.com
とも重なるのですが、現代短歌評論賞の前身となる第1回「新人評論」の受賞者の一人である上田三四二と私は同じ兵庫県小野市出身です。上田三四二の生誕100年にあたる2023年に、その第1回「新人評論」と同じ「〈現代短歌の当面する問題〉に関し論題自由」で賞を得られたことは、兵庫・東播という地区に馴染めなかった私にとってすら、どこか不思議な喜びがあります。
所属している未来短歌会にとっても、(おそらく)秋村功以来、現行の評論賞になってからは初の現代短歌評論賞受賞者第3回「新人評論」の秋村功、第28回現代短歌評論賞の松井多絵子に続く3人目の受賞者*1になれたことをうれしくおもいます。
2018年の落選以来2回目の応募*2で受賞できたのも幸運でした。
yukashima.hatenablog.com
評論賞への応募時に提出した評論要旨は以下の通りです。
本稿はChatGPTをはじめとする生成AIが短歌を出力できるようになることを〈現代短歌の当面する問題〉と捉え、今後も人が短歌をつくることの意義を論ずる。具体的には、坂井修一のChatGPTと短歌をめぐる発言を主軸に検討する。さらに、近年の創造性研究をもとに人が短歌を実作することの重要性を再確認する。最終的に、篠弘が『現代短歌史Ⅱ』に記した二十世紀の前衛短歌の特徴と、それを踏まえた実作が、生成AIのある現代に改めて重要視されるべきであると主張する。
このような内容ですから、評論として〈息が長い〉ものではないかもしれません。「短歌研究」2023年10月号に本文が掲載され、皆様から様々な批評・批判をいただけることを楽しみにしております。