文学フリマの出店時に電子決済(SQUARE)を導入しようとして失敗した

歌集2冊を刊行する機会ということもあって、2022年11月20日文学フリマ東京35に出店することにしていた。――というより、実際のところは「歌集の刊行準備をのんびり進めていたものの、いつまで経っても私が諸々の作業(特に校正が苦手)を後回しにしてしまうので、〈文フリ東京35に出店することを決め、そこに間に合うように諸々の手配を進めることにした〉」。箸2種類の在庫も抱えたままだったし。

ところが、文フリの申込後に、家庭の都合で子どもも連れて行くことになった。「お店屋さんごっこをしにいこう!」と口説いて連れて行くことにしたのだけれど、お釣り用の現金や売上をたくさん持ち歩くのは不安が大きい。子どもも「現金を扱う」ということにはかなりビビっている。そこで、現金を最小限に抑えるために電子決済の導入を検討し始めた。
文フリのFAQでは「当該サービス(PayPay・楽天ペイ・Pixiv Pay・Square など)の利用規約内であり、売り手と買い手が同意の上で決済を行うのは問題ありません。」とある。
bunfree.net

QRコード決済時に有力なPayPayが使えれば最低限なんとかなるかなーと思っていたが、PayPayの利用規約やFAQを読むと、「物品の購入」に際して「個人間送金」の仕組みを使うのはダメだということがわかった。

そこで、いくつかの同人誌即売会での電子決済導入事例を調べることにした。最初に考えていたのは、以前どこかの記事で見かけたクロネコヤマトのマルチ決済端末レンタルサービスだったがどうも今は主流ではなさそうだ。
business.kuronekoyamato.co.jp
SQUARE決済かSTORES決済かで悩み、お世話になっている個人事業者の方が使っている前者にした。端末が安い、というのもあった――が、なんとSTORES決済の端末無料キャンペーン中であることを本記事作成中に知った……これを知っていたらSTORESにしたんじゃないかな……
campaign.coiney.com

それはさておき、11月初旬の休日にSQUARE決済の申し込みをした。信用調査としてJCBの審査があり、それを申請しないとPayPayや交通系ICが使えるようにならないらしい。並行して、わたしの売上振込先銀行の審査に3営業日ほどかかるという。

申込の1〜2営業日後に「JCBから店舗の実態を知りたい。店舗外観や陳列状況、取扱商品や名刺などを送ってほしい」という連絡がSQUARE決済を通じてあった。1日で完結するイベントである文フリ、それも4年ぶりの参加なので店舗外観などはない。取扱商品(歌集やグッズ)の説明、短歌用の名刺の写真、文フリのオンラインカタログのURLなど、伝えられる限りの情報を伝えてお沙汰を待つ。

更に2営業日ほど後に、「クレジットカードの審査が通りました」との通知が来た!ああよかった、とおもったら、交通系やPayPayなどはそこから更に5~6営業日かかるらしい。本番まで2週間あるし大丈夫だろうな、と思っていた……

ら、結局、文学フリマ当日まで交通系ICカードもPayPayも認可が降りなかった。QAなどを見てみると「クレジットカードの審査完了から1か月以上経つのに交通系ICカードなどが認可されない」などというものもあり、審査が全般的に遅れている模様。文学フリマ当日はSQUARE決済の機器を持って行きはしたものの、誰もクレジットカード決済を利用したいという方はおられず、(少なくとも今回の文学フリマでは)無用の長物と化したのでした……。

【教訓】電子決済を導入するなら、慎重な検討・早めの申込みが不可欠。