【本編】加藤治郎さん、あなたは文章が読めない(12)12月15日の加藤のnote記事について

加藤が12月15日にnoteに「#MeToo問題をめぐって」という記事を投稿しました。中島が記事に気がついたのは16日0時半のことでした。
note.com

投稿されたこと自体は本シリーズ記事に関わる一つの進展であると受け止める一方で、その内容には多大な問題が含まれると思いますので、加藤の記事の問題点を記しておきます。*1

加藤がいう、「11月27日に中島裕介が自身のBlogに掲載した「#MeToo」の文書」については、本シリーズ記事の(3)として以下のURLに設置していました。ただし、12月16日時点では、然るべき第三者機関のアドバイスにより、暫定的に非公開としています(状況が許せば同じURLで再公開します)
yukashima.hatenablog.com


本記事の公開にあたっては(3)で私が代理公開した「A」のチェックを経ていることを念の為申し添えます。

「中島は、私の人格と名誉を傷つけた。」

加藤の名誉が表立って傷つく契機を作ったのは私でしょう。しかし、そもそも加藤の名誉を傷つけたのは私ではありません。加藤自身です
何より、最初の段落で「自分の人格と名誉」の話しかしていないことは、加藤の記事の独善・幼稚さをよく表しています。このnote記事の後段でAが誰であるか理解しているにも関わらず、Aが傷ついたこと(加藤の理解に寄せて考えても「傷ついたかもしれないこと」)に加藤はこの記事中で一切言及していません。反省も謝罪もなにも述べていません。「被害を受けた」と明らかに述べ、それに今も苦しんでいるAのことを、加藤がなにも考えていないのはこの記事の構成から明らかです。加藤の反省がこれほどまでに遠いのか……と思うと、私も「本シリーズ記事を通じた目的・目標を変更すること」も視野に入れざるを得ません。

「しかし、今後、個人のプライベートな領域を踏み荒らすようなことがなければ、私は、この件について法的措置を講じるつもりはない。」

(3)の記事も含め、本シリーズ記事はいずれも大なり小なり加藤のプライベートに関わりはするでしょう。しかし、プライベートを「踏み荒らして」などいません。問題にしているのは常に、加藤の権力の暴力的運用です。#MeTooで挙げた事案はセクシャル・ハラスメントであり、その他の事案はパワー・ハラスメント、モラル・ハラスメントです*2。そして、加藤の言動、さらには(歌壇を含む)短歌界隈全体の有り様が変わることを願って、書き続けています。


そして、何度書いても足りませんが、誰よりも踏み荒らされたのはAの尊厳です。未来短歌会の会員や毎日歌壇の投稿者など、加藤の文学の有り様に期待してきた人々の、その期待です。それらを一顧だにしない加藤の記事を、私は高く評価することはできません。

情報源の秘匿

2)今回の「#MeToo」について
クリティカルな内容であるにもかかわらず、全く心当たりのない内容のため、11月27日、私は、急いで中島に連絡をとった。
私は、中島にAが誰か聞いた。もちろん、Aに危害が及ぶ行為はしないと約した。しかし、中島は、情報源の秘匿義務があるとし、Aが誰かを伏せた。
また、中島は、証言の内容は、Aが誰か特定されにくくなるように本人が再構成していると明かした。〈再構成〉とは不透明な言葉である。
私は疑問に思った。匿名の〈再構成〉された内容が公にされたのである。手掛りがなかった。

加藤がなにを考えているのか未だにわからないのですが、

  • 誰に対しても(Aが許さない限り)情報源を秘匿するのは当然です。
  • ましてや、加害者と目されている加藤に対して「Aに危害が及ぶ行為はしないと約した」ところで明かすわけがありません。
  • 「中島は、証言の内容は、Aが誰か特定されにくくなるようにに本人が再構成していると明かした」と書いていますが、そもそもブログ記事(現在は非公開)の冒頭で以下のように書き、「再構成」の経緯をすべて公開していました。加藤は本当に私の記事を読んだのでしょうか……

中島はご本人(以下「A」という。敬称略)から2019年9月14日にTwitterのDMにてお話しを伺いました。2019年11月27日に、A自身がDMを再編集し、本シリーズ記事での公開に向けた了承を得ました。

「Aが誰なのか。信頼できる人からの情報提供で明らかになった。」

公開されている情報から時系列を確認します。

11月30日に未来短歌会理事会開催

12月14日午前に以下のツイートがありました。


そのリンク先ページによると、11月30日に理事会が開催され、「当会一選者のハラスメントに関わる事案が理事の一人から提議されました」と書かれています。(引用します。一部の空白・改行等を本ブログに合わせて調整しています。)
www.miraitankakai.com

【インフォメーション】
理事会報告
11月30日(日)、新理事参加による初めての理事会が未来発行所にて行われました。
 出席者:理事 さいとうなおこ、佐伯裕子、池田はるみ、道浦母都子、山田富士郎、加藤治郎、大辻隆弘、笹公人黒瀬珂瀾Skype参加)、中川佐和子
 監事  小林成子、 運営副委員長 堀隆博  
 (欠席:理事長 岡井隆、副理事長 大島史洋)
討議、決定事項
(中略)
〇 当会一選者のハラスメントに関わる事案が理事の一人から提議されました。
 事実確認の方法を模索しているところですが、協議の結果、
 今後ハラスメントに関する委員会、相談会等を設置するべく検討し、防止に努めることとしました。

中島の記事公開は11月27日、理事会での提議が28日夜

私の記事(3)の公開が11月27日、「理事の一人」(以下、本記事中「理事B」といいます。)が提議が行う旨を聞いたのは28日夜です。29日になってからAに以下の2点を確認し、了承を得ました。

  • 理事Bに対してのみ、Aと中島とのTwitterDM(Aの氏名、証拠画像(加藤とAとの連絡内容)を含む)をすべて開示すること
  • 理事会では、理事Bからの提議内容説明時も含め、Aの名前を一切出さないこと

AとのTwitterDMのデータを、私が理事Bに渡したのは29日18時過ぎです。私は理事会に出席しておりませんので、開催時間すら(本記事執筆時点でも)知りませんが、30日の午後に理事会が開催されたとしても、理事Bが加藤に伝えたとは考えにくいです*3。また、私からはAが誰であるかを、9月14日のAからの相談以降、理事B以外には伝えていません。


もし加藤が理事会でAが誰かを把握したのではなく、理事会前に誰かがAについて加藤に伝えたのだとしたら、それは大変残念です。

「私は、強い衝撃を受けた。」

この一文以降に綴られる、加藤視点でのAへの思い入れ/思い込みについては言及しません*4。ただ、(3)の記事や本記事前段で述べたとおり、加藤は<Aが「被害を受けていた」と認識している>という事態には何ら向き合っていません。そして、(3)でMeTooとして私が代理公開した内容が真実(あるいは、再構成されたことにより<真実に相当する事態>)であったとしても、別に「加藤視点でのAへの思い入れ/思い込み」と何ら矛盾しないこと――すなわち、加藤はnoteの記事で、事実に触れることなく、事態の美談化を図ったに過ぎないことは、念の為に記しておきます。

「短歌は、Aさんの負担となった。」「短歌の世界を去った。」

これは間違いです。「加藤の言動が、Aの負担になった」のです。また、Aは短歌の世界を去ったのでもありません。Aから中島へのDM(12月16日12:52)を引用すれば、「『加藤氏とその権威的支配の傘』から去った」のです。

謝罪や反省の弁が無かったことよりも、「Aさんは短歌の世界を去った」と記されたことがいちばんショックでした。
私は「加藤氏とその権威的支配の傘」から去ったのであり、「短歌」から去ったのではありません。

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「この件では、多くの皆さんにご心配をおかけした。」

未来短歌会の理事会報告で「事実確認の方法を模索しているところ」と、まだ事実確認すらされていないことが明記されているのに、なぜ過去形で書かれているのでしょうか。Aに対する自身の思い入れ/思い込みを美談仕立てにして述べ、他の関係者の心配を過去形で語っていることから、勝手に一人で幕引きを図っているようにすら読めます。


もし誠実な対応のないまま加藤が幕引きを図ろうとするならば、私は看過しません。

*1:中島の16日のツイートでも一部は言及しました。

*2:後日、シリーズ記事の一部とします

*3:2~3日という短期間で、AによるMeTooを理事会に諮ることを決断した理事Bが加藤に漏らしたとは、私は考えていません。全面的に信用しています。

*4:こうやって「ミューズ」発言と同じことを繰り返している、ということに自覚はあるのでしょうか……