クリエイターのための言語学/言語哲学入門 総論①*1

予め申し上げておきますが、私は言語学の専門家でも言語哲学の専門家でもありません。学力不足で追い出されるように終えた大学院でも、専門的に学ぼうとしたのはフランス現象学であって、言語哲学については通り一遍の知識しかありません。言語学については一般教養の授業すら受けたことがありません。ただ、短歌をはじめとする表現活動を行う一環で、言語学言語哲学に関する独学はしています。その独学の延長として、自分の勉強のためにもこの「クリエイターのための言語学/言語哲学入門」をやることにします。


大まかな見通しを立てると

  • 近代以前の哲学における言語に関する議論
  • 現代の言語哲学の系譜
  • 言語学の系譜
  • 言語学言語哲学の絡み
  • (主に短歌における)実作や議論との比較・検討

を順番に行うことになるでしょう。


レベルとしては「大学の一般教養の授業」程度を目指します。そのため、なるべく簡単な用語でも注釈をつけるべきだとは思いますが、時間の都合もありますので、本筋の進行を優先し、必要に応じてWikipedia等へのリンクを張るか、場合によっては各自で調べていただくことになろうかと思います。*1


短歌的な意味での最終目標の一つは「【写生】【写実】【私性】といった諸概念の確認・再定義」です。*2 *3

*1:例えば「現象学」といわれてピンと来るんでしょうか?本筋に影響があるならば現象学の説明をすべきだと思いますが・・・

*2:「【写生】【写実】【私性】という諸概念が間違っている」というわけではありません。それらの概念に対する素朴理論(素朴で正しいと思い込まれているが誤った理解)を排除した上で、それらの概念を再検討し、定義しなおすことが肝です。

*3:どうでもよいのですが、評論などを書く際は普段「〜だ/〜である」調を使いますが、この「入門」では「〜です/〜ます」調を基本にしたいと思います。理由はありますが、敢えては書きません。