ちょっとペースアップしないと今年中に終わらなさそうですので、いくつかの話題を措いて話を進めていきます。今回は加藤の2月20~28日のツイートについて。
正当性/正統性を欠いたニューウェーブの定義?要素?
20日昼の時点で、加藤は「#現代短歌のニューウェーブ」というタグを付けたツイートを行っています。
#現代短歌のニューウェーブ
— 加藤治郎 (@jiro57) 2019年2月20日
・口語文体である
・記号(メタキャラクター)を始めとする表記的喩が特徴
・デジタル化の影響を受けている
・場のニューウェーブを推進
◯参考資料
氏家理恵「記号の侵略 : 文学における表現の変容」(2001年)https://t.co/TlcaDLOAL2
氏家の論文を援用しつつ、加藤が短歌におけるニューウェーブの定義を試みることは創造的な試みだと思います。他方、前回の記事で触れたとおり、この加藤の定義?を用いたところで、加藤らが主張するような「ニューウェーブには事実として女性が含まれない」というような結論は導出しようがありません。
yukashima.hatenablog.com
・口語文体である
これは氏家論文に出てくる話ではありません。ユキノに対して「ニューウェーブと口語短歌は違いますよ」といいつつ、加藤はここで雑に混ぜてしまいます。この混同はこの後も、「短歌研究」の特別寄稿などにも登場する大ポカになっています。本当に加藤は、ニューウェーブについて考えたことがあるのか?と疑いたくなるレベルです。
ニューウェーブと口語短歌は違いますよ
— 加藤治郎 (@jiro57) 2019年2月19日
ユキノさんは、ニューウェーブをどうお考えですか
・記号(メタキャラクター)を始めとする表記的喩が特徴
・デジタル化の影響を受けている
氏家論文に基づけば、この2つを区別するのはややおかしいです。すなわち「デジタル化の影響を受けている」【からこそ】「記号(メタキャラクター)を始めとする表記的喩が特徴」なケースが出てくるのであって、並置すべきものではありませんでした。
・場のニューウェーブを推進
これも、氏家論文には出てこない要素です。他方、「場のニューウェーブ」という考え方自体は荻原裕幸や大辻隆弘からも述べられています。
加藤治郎さんと私は、一九八〇年代の同人誌「フォルテ」にはじまり、加藤さんの妄想を私が強引に現実化するような感じで、場のニューウェーブ的なあれこれを展開して来ました。俗に言うところの阿吽の呼吸ってやつです。その最新のバージョンが、聖地とも呼ばれるようになった名古屋駅西の平(文字数)
— 荻原裕幸 (@ogiharahiroyuki) 2018年6月6日
2000年以降の「場のニューウェーブ」以降に「4人」(3人?)の近くに居た人をどう位置づけるか、という問題意識。
— 大辻隆弘 (@otsuji28) 2018年6月13日
ニューウェーブ30年感想 https://t.co/5aucjLwbjE @hoboku_57577さんから
「場のニューウェーブ」が何を指すかについて、加藤の説明と思われるツイートはこちらです。「メーリングリストやオンデマンド出版という、ITを活用した場を短歌に形成・導入した」とまとめられるでしょう。*1
わたしたちのニューウェーブの話。 : スカイ・パレード https://t.co/dbfpDTh7na
— 加藤治郎 (@jiro57) 2019年3月4日
◯ラエティティア(短歌、川柳を中心としたMLベースのコミュニティ)、歌葉(オンデマンド歌集出版)など、場のニューウェーブに力を注いだのです
他方、西田政史がこうも述べており、「場のニューウェーブ」という考え方は、本当にニューウェーブの定義に必要であるのか検証が必要でしょう。
ニューウェーブの看板を背負って30年間、第一線で活躍してきた加藤さん、穂村さん、荻原さんにとっては、僕の発言は不謹慎で、失礼だったかも知れない。
— 西田政史 (@musouan) 2018年6月4日
場のニューウェーブに関わっていなかった者の発言だったということか。#ニューウェーブ30年
「愕然とする 犯罪でしょう!」
46歳の田畑毅衆院議員は20代の女性が酔って寝てる間に乱暴し、全裸の写真を撮り、女性に咎められてねちねち言い訳してるキモい音声もニュースで流れてたけど、それに対して自民党の伊吹文明が「問題にならないようにやらなきゃ駄目だよな。同じことをやるにしてもね」って言ってて唖然。
— Mie (@mie_) 2019年2月21日
愕然とする
— 加藤治郎 (@jiro57) 2019年2月21日
犯罪でしょう! https://t.co/GQJaGERXWE
なのだそうです…。加藤が私の(3)の記事と、自身のツイートを照らしたとき、加藤は自身をどう見るのでしょうか。加藤は同じ語調で自己批判できるでしょうか?
yukashima.hatenablog.com
*1:2019/12/03 12:35追記