『Starving Stargazer』から10年

本日2018年11月17日で『Starving Stargazer』(ながらみ書房)が刊行されて10年が経過したことになる。


明るい日差しの差し込むビルで初版部数を決めた。ある人の第一歌集の初版部数と同じ600部にしたい、と伝えたら「それは……(そこまで売れないと思うからやめておけ)」と絶句されたことを、そして、ネガティブな感情はなにひとつなく、「そうですよね……面倒かけて申し訳ありません。それでも、手元に何百部残っても励みになると思うので、やっぱり600部でお願いします」と答えたことを、今でも鮮明に覚えている。当時取り上げてくださった書評も数えられるほどだった(まあ、今でも評してもらう機会はほとんどない。「好きな歌人」や「影響を受けた歌人」にも挙げられたことは一度もない。「そんな私の何が現代歌人なんだろう」と考え始めると笑うしかない)。


第1歌集が出てるんだから短歌を辞めてもいいだろうと何百回も思ったし、辞めたら負けだと何百回も思った。それでも刊行したことで『もしニーチェが短歌を詠んだら』を書かせてもらうチャンスに繋がった。『oval/untitleds』が第2歌集になった。


私の手元にはぼろぼろになった1冊と、手をつけていない1冊しか残ってない。中古はたまにYahooオークションに出るだけ。きっと、500部くらいはどなたかの本棚に置いていただけているのだと信じている。


今準備している第3歌集と一般書が出てしまえば、そこから死ぬまで私は何もできないかもしれない。それでも、『Starving Stargazer』が誰かの本棚に届いた、という奇跡的な事態は今でもひそかに誇りに思っているし、これからも誇りに思っているだろうと信じている。

先日書いた記事を、Archive的な位置へ動かしました。

(記事の日付表示を変えましたが、URLそのものは変わっていません)

片上雅仁氏「中島祐介の表現形式」(「遊子」2004年2月号)にこたえる
http://yukashima.hatenablog.com/entry/2018/05/25/003819

「短歌人」2018年4月号斎藤寛氏時評「AIを使って作る短歌」への指摘
http://yukashima.hatenablog.com/entry/2018/06/14/004013


また、第36回現代短歌評論賞落選作「短歌結社の再定義 ――解釈共同体としての短歌結社」の本文は、「短歌研究」2018年10月号を中島が受領し次第、以下のURLで公開します。
http://yukashima.hatenablog.com/entry/1999/01/11/000000

第26回文学フリマ東京に参加します

1978年生まれの歌人16名によるアンソロジー「フワクタンカ78」(200円)を頒布します。*1
その他、実用可能なジョークグッズとして「短歌で飯を食う箸」「文学で飯を食う箸」「短歌で身を立てるエッグスタンド」「文学で身を立てるエッグスタンド」を頒布。
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*1:サークル「bitter butterfly」名義です

「フワクタンカ78」(仮)の刊行予定と参加者公募について

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「(角川)短歌年鑑 平成30年版」における座談会「AIは短歌を詠むか」で使用した資料について

「(角川)短歌年鑑 平成30年版」座談会において、当日配布された資料から一部の加除を行ったものを公開する。

短歌年鑑 平成30年版 (カドカワムック)

短歌年鑑 平成30年版 (カドカワムック)

  • 1.「人工知能」とはなにか*1
  • 2.「短歌を詠む」とはなにか
  • 3.「人工知能は短歌を詠む」と判断する読者とはなにか
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